いわゆる普通の国産IT企業のSEだった私が最初に転職した時（1996年です！）は、セールスコンサルタントという職種への転職でした。
その当時は初めて聞いた職種でしたし、SE職に応募したはずだったのに、なぜか内定をもらったときには「セールス」と名が付く職種になっていて、これってひょっとして営業職？とも思ったものです。
営業なんてやりたくない、と思っていたので、念のため当時の人事担当に、
「営業やらされるわけじゃないですよね？」
って確認したことを憶えています。
その時の人事担当者の返事は、「セールスをサポートするSEですよ」、といった内容の回答でした。
そしてそのまま入社し、結局、その後10年以上に渡って、セールスコンサルタントを担当してきたのですが、そもそもセールスコンサルタントとはなにかを整理してみます。
セールスコンサルタントの仕事って？
セールスコンサルタントの仕事とは、先ほどの人事担当者が答えたのが非常に簡潔に明確に表しています。
「セールスをサポートするSE」、もう少し噛み砕くと、営業マンがお客様にITソリューションを提案するときに、その提案を技術面から支援するコンサルタントのことですね。
お客様が抱える課題に対して、我が社のITソリューションを導入し、こう使う事で、課題解決することが出来るんですよ、とお客様のデータを使って業務パッケージの実画面を見せたり、現行業務の改善や効率化が出来ることを、技術面・製品機能面から訴求するわけですね。
その提案活動の中では、自分の過去の経験や業種ナレッジを元に語ることで、提案を成功に導く（購入してもらう）のがゴールです。
セールスコンサルタントという名前の通り、 何かをセールス（販売）するためのコンサルタントなわけです。
IT業界で言うと、やはりソフトウェア製品やハードウェア製品が対象になります。
最近だとクラウド全盛なので、製品の一括購入というよりは、時間単位や月々いくらといった利用時間に応じた課金形態のサブスクリプション型のものがメインにはなってきていますが、いずれにしても自社製品を気に入って契約してもらうことが、セールスコンサルタントの役割となります。
担当するのは「セールス」の場面だけ？
無事、お客様が契約してくれたら、セールスコンサルタントの役割はそれで終わり。もしお客様が更なる技術支援を必要とするときは、製品コンサルタントやITコンサルタントを有償で契約してもらうことになります。
そんなセールスコンサルタントは、別名、プリセールスSEと呼ばれることもあります。購入前＝提案中に活躍するSE ということですが、普通は両方とも同じ意味で使われています。
「セールス」に特化することのメリット
20年以上前の当時は、セールスコンサルタントという呼び名は、日本企業ではあまり一般的ではなかったはずですし、そもそも提案活動だけを行うコンサルタントって、お客様にとって嬉しいのかな？と思っていました。
通常のコンサルタントであれば、営業と一緒にお客様に導入提案を行い、導入を決めてもらうと今度は、そのお客様のプロジェクトにPMだったり、実担当として参画するのが、いわゆる普通のコンサルタントの活動になります。
ずっと同じコンサルタントが本稼働まで面倒みてくれたほうがいいんじゃないかな、と思っていました。
しかしこれだと、短くて半年、長いと何年間もその顧客プロジェクトに携わることになります。最新の技術や業界動向を常にキャッチアップしながら、最適製品の提案に生かす、というセールスコンサルタント本来の活動はなかなか出来ないことになるんです。
その業種に詳しくて、そのお客様も含めた業種ごとの課題もよく知っていて、どうやれば課題解決できるかを適切に提案してくれるのがベストなわけです。
そこには最適なソリューションを提案するスキルに長けたコンサルタントが必要となります。
多くの顧客の課題を知り尽くして、最適な提案をするという豊富な経験をもつのがセールスコンサルタントなわけです。
まとめ
ここまでをまとめると、
- セールスコンサルタントとは、営業マンがお客様にITソリューションを提案するときに、その提案を技術面から支援するコンサルタントのこととなります。
- 通常のコンサルタントは自分のスキルやノウハウを有償で顧客に提供するが、セールスコンサルタントは自社の製品を売るために、時には無償でそのスキルやノウハウを提供することもあります。
- お客様の業種ごとの課題をよく知っていて、どうやれば課題解決できるかを、最新技術や業界動向をもとに最適なソリューションを提案するのがセールスコンサルタントであり、お客様にとっても実は嬉しいことなはずです。
では、セールスコンサルタントに求められるスキルは？
それについては、私の体験をもとに、別の記事で整理してみます。
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