前回は、セールスコンサルタントとは何をする職種なのか?について、解説しました。
今回は、セールスコンサルタントにはどのようなスキルが求められるのか、これも私の体験を元に整理してみます。
住宅販売や自動車営業の方もセールスコンサルタントということがあるようなのですが、私はその職種の経験はないので、ここでは対象外とします。
ソリューションセリングのスキル
セールスコンサルタントは、自社製品の機能・特徴の紹介だけではなく、その製品が持つ機能が顧客課題をどのように解決できるのか、いわゆるソリューションをきちんとお客様に訴求出来なければなりません。
じゃあ、お客様はやりたいこと(ニーズ)を明確に描いているかというと、そのようなお客様は実は少なくて、まだ解決できていない悩みや課題を抱えていて、それをどう解決したらいいのかまだ漠然としか気づいていない、ぼんやりとしか分かっていないことが多いのです。
その悩みを抱えてはいるものの本当にやりたいことまで明確に出来ていないというお客様は、セールスコンサルタントにとっては潜在顧客であり、その悩みをどう解決できるのか、ニーズを形成してあげることで初めて、顕在顧客になるのです。
セールスコンサルタントにとっては、お客様の悩みを引き出して、お客様自身がそれを解決するためのニーズを導き出せるよう手助けしてあげることが必要です。
たいていのお客様はぼんやりとしかニーズやソリューションを思い描けていないので、それを具体化してあげることが求められます。もちろんそのソリューションは自社製品をベースにしたものでなくてはなりません。
具体例で考えてみましょう
例えばある事業会社の情報システム部長にとっての悩みは、

我が社の今のシステム運用について漠然とした不安があります。
コストをかけずにどうやって高度化、効率化に取り組めばいいのか。
クラウド化、開発の高速化、セキュリティ脅威の増加・・・世の中はどんどん変化しているのに、要員は増やせず、かつ直近の開発作業やデータ分析依頼に追われて、戦略的な対応ができていない。。。
これらはいずれもまだニーズにはなっておらず、悩み。課題です。それに対して、

クラウドを使って機械学習など高度なITを効率的に積極活用することで課題解決できるのではないでしょうか。
といった気づきを与えてあげ、より具体的な未来を自社製品を使って描いてあげる(ソリューション)ことが、セールスコンサルタントの仕事なのです。
ということで、セールスコンサルタントに一番必須のスキルがソリューションセリングのスキルだと私は考えています。
業種に特化したスキルがあるといい
もちろんお客様から悩みや課題を引き出すとはいっても、お客様のことを知らずに顧客訪問してやみくもに質問してもなんでも回答してくれることは少ないと思います。
「コンサルタント」である以上、その顧客の業種についての業界動向や同業他社の情報を知った上で、他社も含め同じ業種の企業の抱える悩みを把握していれば、課題感を適切に指摘できたり、会話をうまく引き出したりすることができるでしょう。
もちろん他社の内部情報をそのまま話すのコンプライアンス上NGですし、そんな口の軽いコンサルタントは信用されなくなるのでやってはいけません。
顧客課題を的確に整理しよう
お客様の抱えている悩みや課題を聞き出すことはもちろん重要ですが、それを体系的に整理する力も必要です。
よく、巷のコンサルタント本で、課題の整理のためにフレームワークを活用するべし、こんなフレームワークがあるよ、などと喧伝されていますが、まさにそれです。
かといって、小難しいフレームワークを勉強し直す必要などなく、誰もが見てすぐに理解できる「ロジックツリー」が使いこなせれば、十分だと思います。
様々な悩みや課題を洗い出して、因果関係を整理して、そこからニーズを導き出して、ソリューションまでつなげてあげられればベストですね。
お客様とのヒアリングセッションで聞き出した内容を、自社に持ち帰り、ロジックツリーを作って、後日お客様への提案の場で披露し解説してあげると、我が社の課題を整理してくれた、と喜ばれます。
まとめ
セールスコンサルタントは、上で記載したようなスキルを求められます。
事実、私の周りにいた優秀なセールスコンサルタントはみな、こういったビジネスコンサルティングにも通用するスキルを持っていましたし、そういう人がお客様にも評価され成績も上げていたことを記憶しています。
- ソリューションセリングのスキル
- 業種に特化したスキル
- 顧客課題を的確に整理するスキル
ただし、セールスコンサルタントは自社の製品を売ることで評価されるわけですから、自社製品を知り尽くしていることは当然です。
次回はそのことについて解説していきます。
コメント