書評「ギャンブル依存症」FXもギャンブルなのか?

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別な記事でも少し書いたように、FXに熱を上げることは、ギャンブル依存症と変わらないのではないか?と最近考えています。

FX自体がギャンブルなのかと言われると、そこは異論がありますが、FXに熱中してやめられなくなるというのは、ギャンブル依存症の一種なのでは?と思えてなりません。

もう少し掘り下げるために、「ギャンブル依存症」という書籍を読んで、考えてみました。

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 ギャンブル依存症とは?

今回、ギャンブル依存症を知るために読んだ書籍がこちらです。

著者の田中さんは、自身のご家族だけでなく、ご本人もギャンブル依存症に苦しんだ過去を持っているとのこと。
現在は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表を務めておられます。

日本人の20人に1人がギャンブル依存

厚生労働省が2014年に発表した調査結果によると、日本人の4.8%がギャンブル依存症に苦しんでいます。内訳でみると、男性:8.7%、女性:1.8%で、成人全体の4.8%であり、その割合から、およそ20人に1人となります。

アメリカの依存症の割合は全体の1.58%、フランスでは1.24%とのことですから、国としてカジノが認められているところと比べても、日本人のギャンブル依存の割合はダントツであることがわかります。

日本にはまだカジノが出来ていないにもかかわらず、この高い割合です。

この原因は、日本のいたるところに店を出しているパチンコなのだそうです。
確かにどんな田舎町に行っても、広い駐車場の完備したパチンコホールがありますね。
また、高級そうな住宅街にもパチンコホールがあり、場違いな感じもしますが、お客はそれなりに入っているようです。

競馬、競輪、競艇などといった公営ギャンブル(公営競技)は、明らかに賭博であるにも関わらず、なぜか公営という大義のもとに存続していますよね。

こういった法で規制されていない遊び場が、ギャンブル依存症の温床になっており、裾野を広げる原因となっているようです。

ドーパミンの制御障害

ギャンブル依存症の人は、ギャンブルが好きで好きでやめられない人、とイメージされがちですが、そうではなく、これは治療すべき病気なのです。

著者いわく、ギャンブル依存症とはドーパミンの制御障害なのだとか。

通常、人に褒められたときや誰かの役に立ったときに、ドーパミンが分泌され、プラス効果が期待される健康的なものですが、ギャンブル依存症は、ギャンブルしているときだけ大量にドーパミンが分泌されすぎてしまっていて、それを抑えることができない(制御することができない)ものと考えられています。

また、ギャンブル依存の人は、「自分は違う」「今は負けているけど最後には勝てるはず」と考える人が多いのも特徴とのこと。

そしてどんどんのめり込んでいって借金が増えていくことになります。

いくら借金が増えても、いつかは大当たりすれば返せるはず、と思い込み、「やめたいけどやめられない」悪循環にハマっていきます。

たまたま少し勝てたとしても、それを元手にもっと増やそう、と考え、結果、全てを失うことになるとか。

自尊心が低くプライドが高い人が多い

ギャンブル依存症は、自尊心が低くて、プライドが高い人に多くみられます。

  • 自尊心:自信に由来するもので自分を大切にする気持ち
  • プライド:劣等感に由来するもので他人の評価を気にする感情
本来は逆であるべきなのに、プライドばかり高くて、自分がギャンブル依存症であることを認めたくない人なのだそうです。
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FXもギャンブルになりうるのか

FXそのものは、正当な投資手法であり、ギャンブルと呼ぶべきとはまったく思いませんが、FXにハマってやめられなくなるのは、ギャンブル依存症と同じ症状であることは確かです。

FX依存が原因と考えられる犯罪も

世間でそんな人が引き起こすニュースを探してみると、、、

  • 伊藤忠元社員を逮捕 FX取引に数億円流用の疑い
    • 伊藤忠商事元社員はニュージーランドにある関連会社出向していた2012年5月~14年2月、同社の銀行口座から自分の口座に100回以上にわたり送金し、約7億円を着服したとして告発された。伊藤忠は3月、約7億円を私的な外国為替証拠金(FX)取引に流用したとして元社員を懲戒解雇した。
  • 中国銀行の元行員逮捕 3900万円横領疑い
    • 2015年12月から17年2月までの間、営業係として勤務していた中国銀行高松支店で4回にわたり、顧客の60代女性2人の口座から計約3900万円を引き出し、自分の口座に入金するなどして着服した疑い。同署によると、ほとんどを外国為替証拠金取引(FX)に使っていた。
  • 元行員、顧客から1800万円着服 FXでの損失穴埋め
    • 東京都民銀行員の男性(33)は2016年2月~17年12月、同行の西大久保支店と日本橋支店の顧客から、相続時の費用や投資信託の購入資金を預かるなどと偽ってだまし取っていたという。男性は着服を認め、外国為替証拠金取引(FX)での損失穴埋めのためだったと説明しているという。男性は懲戒解雇処分。
  • 三井住友銀元行員の35歳女を逮捕 顧客口座から5億円近く引き出しか「FXに使った」
    • 三井住友銀行松戸出張所(同県松戸市)元主任の女性(35)を逮捕した。被害総額は約4億8000万円に上るとみられ、「外国為替証拠金取引(FX)などに使った」と容疑を認めているという。

軽くニュースを検索しただけでも、伊藤忠商事社員の事件や銀行員の事件のように、横領など犯罪に手を染める事件を見つけることができました。
FXにハマって、やめたくてもやめられないというギャンブル依存と同じ状態になっているケースが、非常に多くなってきているのだと思います。

高学歴やエリートがハマる

FXを始めとした投資商品にハマってしまうのは、高学歴やエリートサラリーマンが多いようです。

これらの人たちは、社会的な地位も高く、高収入であり、ギャンブル依存に縁遠いと思われがちですが、実際は大卒以上の高学歴の人が多いのも事実とのこと。

FXは2国間の為替相場をもとにした投資取引であり、仕組みや投資手法を理解しないと、普通は手を出せません。

ちゃんと勉強したうえで、自分なら儲けることができる、と考える人が始めるものであり、そこそこ勉強が好きな人(学歴のある人)が、やり始めるからなのかもしれません。

FXはギャンブル以上にハイリスク・ハイリターン

国内のFX業者は証拠金の25倍までの取引しかできませんが(これでもかなりなハイリターンが期待できますが)、海外業者は数百倍の取引が可能(ハイレバレッジ)であり、まさにハイリスク・ハイリターンの極みと言え、パチンコや競馬などのギャンブル以上の危険度があると言えます。

さらにこのハイリスク・ハイリターンなところが、ドーパミンの過剰な分泌を引き起こすとも考えられています。

また、天災や政変、選挙などにより、想定外の事態が発生し、為替レートが激しく動くことがあり、一気に資産が増える可能性があるのもFXの特徴であり、ドーパミンの分泌をさらに刺激するのかもしれません。

そうたびたび起こることではありませんが、例えば、2016年の米国大統領選挙でトランプが勝利し(トランプショック)、ドル/円レートは105円台から101円台まで下落し、短時間で激しく円高方向に振れました。

このように、予想外の事態で大儲け(もしくは大損)の可能性があるというのは、まさに、ギャンブルと同じで、このハイリターンに惹きつけらて、ギャンブル依存症と同じ状態になるんですよね。

私のFX取引も、まさに、こんな感じでした。
「やめようと思えばいつでもやめられる」「もう少し勝率が上がれば、資金も増えていくはず」「相場が動いていてチャンスだからさらに多くの資金を投入しよう」などなど。結果的には全て失敗、多くの資金を失いました。
そして、もう二度とやるまい、と心の中で誓いを立てています。

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ギャンブル依存症はどう判定するの?

さて、どんな状態になったら、ギャンブル依存症と言えるのでしょうか。

ギャンブラーズ・アノニマス(ギャンブルをやめたい、と願う依存症の人たちによる自助グループ)が定めているのがこの20の質問です。

このうち7つ以上に当てはまるようだと、ギャンブル依存症の可能性が高いと言われています。

「ギャンブル」という言葉を「FX取引」と言い換えて読んでみると、私も半分以上(10項目以上)該当していたので、かなり依存症の確率が高いのかもしれないとゾッとしています。

  • 1. ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになることがありましたか?
  • 2. ギャンブルのために家庭が不幸になることがありましたか?
  • 3. ギャンブルのために評判が悪くなることがありましたか?
  • 4. ギャンブルをした後で自責の念を感じることがありましたか?
  • 5. 借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っている時に何とかしようと してギャンブルをすることがありましたか?
  • 6. ギャンブルのために意欲や能率が落ちることがありましたか?
  • 7. 負けた後で、すぐにまたやって、負けを取り戻さなければと思うことが ありましたか?
  • 8. 勝った後で、すぐにまたやって、もっと勝ちたいという強い欲求を感じることが ありましたか?
  • 9. 一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?
  • 10. ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?
  • 11. ギャンブルの資金を作るために、自分や家族のものを売ることがありましたか?
  • 12. 正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
  • 13. ギャンブルのために家族の幸せをかえりみないようになることがありましたか?
  • 14. 予定していたよりも長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?
  • 15. 悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  • 16. ギャンブルの資金を工面するために法律に触れることをしたとか、しようと考える ことがありましたか?
  • 17. ギャンブルのために不眠になることがありましたか?
  • 18. 口論や失望や欲求不満のためにギャンブルをしたいという衝動にかられたことが ありましたか?
  • 19. 良いことがあると2・3時間ギャンブルをして祝おうという欲求がおきることが ありましたか?
  • 20. ギャンブルが原因で自殺しようと考えることがありましたか?

とにかく、ギャンブルは、周りの人たちを不幸にしますし、いいことは1つもありません。
これでお金儲けができればいいですが、まぐれで勝つことはあっても、やり続けると、必ず損をするようになっています。

これはFX投資も同じはず。
もちろん、それを生業(なりわい)としている人たちもいますが、ルールを決めて機械的に、あくまで仕事として、損切りや利確を行うことが必要となってきます。

自分で稼いだお金をFX投資に回して、感情なく機械的に処理できるかというと、普通に感情を持っている人には、なかなか難しい投資ではないかと思います。

特に、最初は節度を持ってルール通り取引していたとしても、勝ったり負けたりを繰り返すうちに徐々に熱くなっていき、「今度こそ!」とルールを無視した取引に手を出すことになりかねません。(私がそうでした)